2013年は、2020年の夏季オリンピックの開催が東京に決定し、富士山が世界文化遺産に認定され、日本に良いニュースが残った一年です。また楽天イーグルスが初の日本一に輝いたことや、長嶋茂雄氏と松井秀喜氏に国民栄誉賞が送られたという、日本の野球界のニュースが日本を盛り上げました。しかし、その一方で、消費税が8%への引き上げが決定し、ホテルなどの一流飲食店での食品偽装の相次ぐ発覚など、日本の経済の回復には程遠いニュースも多かった一年です。
2013年には、日本を代表する大企業を始め、なんと25社もの企業が、100名を越す人数の大規模リストラを発表したという、悲惨な1年になりました。25社のうち、5社が500名以上もの人員をリストラを決めており、3社が1000名以上という超大規模なリストラを決めました。
2013年に発表された100名以上のリストラを発表した企業の一覧を大公開いたします。
2013年リストラ人数最多企業ランキング
大企業を中心に、大規模なリストラが多数発表された2013年。100名以上のリストラ発表した上場企業を、リストラの人数が多い企業順にランキング形式で、5社をご紹介いたします。ランキングの後には、100名以上のリストラを発表した企業の一覧を公開しています。
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第5位:パイオニア|716名
東証一部上場企業である「パイオニア株式会社(以下、パイオニア)」は、特別退職優遇制度に対して、716名が応募したことを公表しました。
対象になったのは、パイオニア及び国内のグループ会社の社員で、合計7社です。当初は、600名を目処に募集をしていましたが、予想を大幅に上回る数の応募があったことになります。
第4位:日本通運|764名
東証一部上場企業である「日本通運株式会社(以下、日本通運)」は、2013年7月22日に公表していた転進支援措置に対して、764名が応募したことを公表しました。
転進支援措置は、60歳未満の営業職、事務系社員を対象にしており、当初800名を募集しておりました。しかし、結果として、応募があったのは、764名と想定をやや下回る結果となりました。
日本通運は、今回のリストラとは別に有期雇用社員の327名に対しても、人員削減を行なっており、それを合わせると1000名以上の人員を削減したこととなります。
出典 転職支援措置の結果のお知らせ|日本通運
第3位:日立電線|1112名
東証一部・大証一部上場企業である「日立電線株式会社(以下、日立電線)」は、2012年11月30日に公表していた早期退職・転職支援制度に対して、想定を大幅に上回る1112名が応募したことを明らかにしました。
早期退職・転職支援制度は、日立電線及び国内の連結子会社の社員を対象に募集し、当初は600名の程度の募集を想定しておりました。しかし、結果として、予想の2倍近い1112名の大幅な人員削減となりました。
日立電線は、2012年にも917名の人員削減をしていますが、その際も当初は600名の応募を想定していましたが、大幅に上回る人数の応募がありました。2年間で2000名以上の人員を削減するという超大規模なリストラ策を実施した、日本でもトップクラスに人数の多い企業の一つになってしまいました。
出典 早期退職・転職支援制度利用者募集結果に関するお知らせ|日立電線
第2位:ルネサス エレクトロニクス|2316名
(画像:Bloomberg / gettyimages)
東証一部上場企業の「ルネサス エレクトロニクス株式会社(以下、ルネサス エレクトロニクス)」は、2013年3月28日に公表していた早期退職優遇制度に対して、2316名が応募したことを明らかにしました。
早期退職優遇制度は、ルネサス エレクトロニクス及び国内の連結子会社の40歳以上の社員を対象に、3千数百名の応募を想定していましたが、実施には予定を大幅に下回る2316名の応募があったと言います。しかし、今回の実施以降に、他者への移籍などを含めると、約3000名を削減したと言います。どちらにしろ、2000名以上という、膨大な数の人員をリストラしていることには変わりありません。
また、ルネサス エレクトロニクスは、2012年10月にも7511名を削減したばかりで、わずか1年の間に合計で1万人以上の社員をリストラしたという、近年稀に見る大規模リストラ企業のレッテルが貼られる企業となってしまいました。
出典 早期退職優遇制度の実施結果に関するお知らせ|ルネサス エレクトロニクス
第1位:富士通|2454名
(画像:drserg / Shutterstock)
東証一部・大証一部・名証一部上場企業である「富士通株式会社(以下、富士通)」は、2013年3月28日に募集を公表した早期退職優遇制度に、2454名が応募したことを公表しました。
今回の早期退職優遇制度は、50歳以上の幹部社員を対象に300名を募集し、半導体部門の子会社の社員を対象に1600名を募集するという二種類を実施しました。結果として、幹部社員のからは491名、半導体事業からは1963名の応募があったという、予想を大幅に上回る結果になりました。
富士通は、今回のリストラ以外にも、グループ会社の人員削減や、海外従業員、外部のリソースの削減なども発表しており、抜本的な改革行う予定です。
2013年に最もリストラを行った企業は、富士通という日本を代表する大手企業によるリストラとなり、日本の大企業神話が音を立てて崩れ去っていくのを目の当たりにした一年となりました。
出典 早期退職優遇制度の実施結果のお知らせ|富士通
2013年に100名以上のリストラを発表した企業を大公開
2013年にリストラを発表した企業の中から、人数の多い5社を公開いたしましたが、2013年は合計で25社の上場企業が100名以上のリストラを行いました。
その企業を一挙大公開いたします。
企業名 | 人数(名) |
---|---|
富士通 | 2454 |
ルネサスエレクトロニクス | 2316 |
日立電線 | 1112 |
日本通運 | 764 |
パイオニア | 716 |
日本無線 | 495 |
NTN | 406 |
シチズン | 399 |
ショーワ | 378 |
NKSJホールディングス | 324 |
三陽商会 | 270 |
JUKI | 234 |
ローム | 219 |
双葉電子工業 | 213 |
タムラ製作所 | 213 |
エフテック | 212 |
グリー | 205 |
佐世保重工業 | 201 |
日立電線 | 160 |
タカラトミー | 138 |
アイ・オー・データ機器 | 121 |
ローランド | 113 |
アサツー ディ・ケイ | 113 |
フジクラ | 106 |
インフォメーション・ディベロプメント | 104 |
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