2015年は、東京大学宇宙線研究所所長の梶田隆章氏がノーベル物理学賞を受賞し、北里大学特別栄誉教授の大村智氏がノーベル医学・生理学賞を受賞したという日本人にとって大きな嬉しいニュースがありました。マイナンバー制度が始まり、便利になった面がある一方慣れない制度などで混乱があったことも事実ですが、日本にとって大きな制度改革でした。
2014年に100名以上のリストラを発表した上場企業は、7社でしたが、2015年は大幅に増加し、22社もの上場企業がリストラを発表しました。また、1000名以上のリストラを発表した企業は3社と前年と変わらない結果となりました。しかし、2015年は、おいおいニッセイ同和損害保険や損保ジャパン日本興和ホールディングスなど、かつては安定の代名詞だった金融機関での数百名規模の大規模なリストラや、天下の電通とまで言われた日本最大手の広告代理店の電通までもが100名以上のリストラを行っており、大企業が安定が保証していくれた時代は終わってしまったことを多くの人が実感した一年になったように思います。
2015年に発表された100名以上のリストラを発表した企業の一覧を大公開いたします。
2015年リストラ人数最多企業ランキング
大企業を中心に大規模なリストラが多数発表された2015年で、日本が再生する兆しは全く見えず、会社にしがみついていたら、会社とともに沈んでしまうことが現実味を帯びてきました。2015年に100名以上のリストラ発表した上場企業を、リストラの人数が多い企業順にランキング形式で、5社をご紹介いたします。ランキングの後には、100名以上のリストラを発表した企業の一覧を公開しています。
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第5位:東洋製罐グループホールディングス|716名
東証一部上場企業である「東洋製罐グループホールディングス株式会社(以下、東洋製罐グループホールディングス)」は、2015年10月30日に公表していた希望退職者の募集に対して、716名が応募したことを公表しました。
希望退職者の希望は、東洋製罐グループホールディングスに勤める45歳以上の社員及び再雇用の社員で、当初は550名程度の募集を想定していましたが、結果は、予想を30%も上回る716名が応募したと言います。
出典 希望退職者募集の結果に関するお知らせ|東洋製罐グループホールディングス
第4位:サニックス|838名
東証一部・福証上場企業である「株式会社サニックス(以下、サニックス)」は、2015年5月7日及び11月13日に公表していた希望退職者募集に対して、それぞれ609名、229名が応募したことを公表しました。
対象は、5月72日公表していた分については、ソーラーエンジニアリング事業部門の技術職と事務職の社員で、当初は600名の募集を想定していましたが、実際には想定を上回る609名が応募したといいます。また11月13日公表分については、対象を全部門の全職種に広げ募集し、300名程度の応募を想定していましたが、実際に応募があったのは229名となりました。今回の募集について、想定数の人員削減ができなかったため、追加で70名の人員削減を目指すことも同時に発表しています。
1年に2度もリストラを実施し、更にリストラ策を発表するという悲惨な状況になってしまいましたが、依然として太陽光発電事業には厳しい状況が続きます。
出典 希望退職者募集の結果に関するお知らせ (2015年6月16日分)|サニックス
出典 希望退職者募集の結果に関するお知らせ (2015年12月24日分)|サニックス
第3位:横河電機|1105名
東証一部上場企業である「横河電機株式会社(以下、横河電機)」は、2015年9月2日に公表していた希望退職者の募集に対して、想定を大幅に上回る1105名が応募したことを明らかにしました。
希望退職者の募集は、30歳以上59歳以下の横河電機、横河ソリューションサービス、横河マニュファクチャリングの正規社員と、60歳以上64歳以下の横河電機、横河ソリューションサービス、横河マニュファクチャリングのシニア社員の2種類を募集しました。募集人数については、正規社員の600名の削減を目標に募集しましたが、結果として、管理職175名、正規社員810名、シニア社員120名の合計1105名という、想定を大幅に上回る応募があったことを公表しました。
横河電機といえば、世界56カ国に展開するグローバルカンパニーですが、今回の大規模リストラに踏み切りました。
出典 希望退職者募集の結果に関するお知らせ|横河電機
第2位:日本たばこ産業(JT)|1754名
東証一部上場企業の「日本たばこ産業(JT)(以下、日本たばこ産業)」は、2013年10月30日に公表していた希望退職募集に対して、1754名が応募したことを明らかにしました。
希望退職募集は、50歳以上59歳以下の国内たばこ事業及びコーポレート部門に所属する社員を対象に募集され、当初は1600名程度を募集していましたが、結果として、想定をおわ回る1754名の応募があったことを公表しました。
日本での法規制やタバコ離れなど、国内のタバコ事業は苦戦を強いられており、今回のリストラを敢行したようです。今後、海外に活路を見出せるかが運命の分かれ目のように思います。
出典 国内たばこ事業の競争力強化施策に伴う希望退職募集等の結果について|日本たばこ産業
第1位:シャープ|3234名
(画像:Kobby Dagan / Shutterstock)
東証一部上場企業(当時)の「シャープ株式会社(以下、シャープ)」は、2015年5月14日に募集を公表した希望退職の募集に、3234名が応募したことを公表しました。
希望退職の募集は、シャープ及び主要国内連結子会社の社員を対象に行われ、当初3500名程度を想定するという、非常に大規模なリストラ策です。結果として、応募者は3234名となり、予想を下回る人数しか削減できませんでしたが、非常に大規模な人員削減となりました。
2015年に最も多くの社員をリストラした企業になってしまったのは、シャープでした。シャープといえば、他の電機メーカーと「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と日本企業の品質の高さを世界に示した、日本の高度経済成長を支えた日本を代表する企業の一つです。しかし、どこで歯車が狂ったのか、世界や特にアジアの勢いについていくことができず、多額の赤字を垂れ流し、シャープそして日本を支えてきた多くの社員たちをリストラという形で別れを告げなければならないほどに転落してしまいました。
出典 希望退職の募集の結果に関するお知らせ |シャープ
2015年に100名以上のリストラを発表した企業を大公開
2015年にリストラを発表した企業の中から、人数の多い5社を公開いたしましたが、2015年は合計で22社の上場企業が100名以上のリストラを行いました。
その企業を一挙大公開いたします。
企業名 | 人数(名) |
---|---|
シャープ | 3234 |
日本たばこ産業 | 1754 |
横河電機 | 1105 |
サニックス | 838 |
東洋製罐グループホールディングス | 716 |
TSIホールディングス | 528 |
ワールド | 453 |
あいおいニッセイ同和損保 | 440 |
アシックス | 339 |
Jトラスト | 320 |
損保ジャパン日本興亜ホールディングス | 254 |
日本シイエムケイ | 247 |
KADOKAWA | 232 |
タカギセイコー | 208 |
日立マクセル | 163 |
ユニバンス | 162 |
ニッセンホールディングス | 147 |
丸順 | 140 |
サクサホールディングス | 139 |
ニッコー | 112 |
電通 | 104 |
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